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2012年9月18日 (火)

客観的に推測する日韓関係

 時事判断は事実に基づかなければならないが、大局的に物事の整合性を考察することも必要である。韓国の建国は連合国の企図によるもので民族運動の結果ではなく、経緯は以下である。
1945年~1948年 アメリカ軍政
1948年~1960年 李承晩政権 /1950年~1953年 朝鮮戦争
      反日的統治、反日教育開始 (1949年対馬領有宣言、1952年李承晩ライン設定)
1960年~1961年 第2共和政治(李承晩政権崩壊後の混乱期)
1961年~1979年 朴正煕のクーデター政権~朴正煕大統領政権~暗殺
      1965年日韓条約締結(李承晩ライン廃止)
1979年~1987年 全斗煥のクーデター~全斗煥大統領政権
1988年~      盧泰愚大統領以降 選挙で選出された政権
 韓国軍は戦時には米軍指揮下に入る。大統領に戦時指揮権はなく、1994年以前には平時指揮権も無かった。李承晩政権初期に暴動が頻発し多数の犠牲者を出した。アメリカ軍は軍政以降の統治にも深く関与していただろう。朝鮮半島を日本から独立させた大義名分が必要で、韓国軍の士気を高めるためには民族意識高揚が望まれただろう。朝鮮戦争では士気が高かった北朝鮮軍が圧倒的に強く、韓国軍は米軍のサポートがあったにも拘らず釜山まで敗退を重ねて包囲され、米軍が仁川に上陸し漸く包囲が解かれた。
米軍が北朝鮮軍を押し返した後、韓国軍の再建は急務であった。士気を高めるためには反共教育だけで十分だったとは考えにくい。ナショナリズムを高揚するために反中国だけでなく反日意識を高める事も有効と認識された疑いが濃い。現在の韓国人の偏執を勘案すると、中国従属関係史を抹殺して韓族優位の歴史を捏造し、朝鮮半島の対日文化優位と一方的文明移植の歴史を捏造し、李承晩ラインの設定と竹島の強奪デモンストレーションにより日帝からの武力独立幻想を作り出すプランがその中に含まれていたのだろう。
朴正煕は韓国の状況を卑下した言辞を残した。貧しい農民出身で満州国軍人だった彼が韓国を卑下する必要は無かった筈だが、軍人向け民族教育に嫌悪を感じたのだろうか。征日意識は朝鮮特需に潤う日本への敵愾心の発散もあったと思われる。朴政権までの韓国軍幹部には満州国軍官学校や日本の士官学校で学んだ者が多かったから、保守系日本政府とは通じるところもあったかもしれない。
 しかし朴正煕が暗殺され、韓国軍人が第2世代に変わる頃に転機が訪れ、韓国、米軍、日本は別の道を歩み始める。韓国クーデターで政権を握った全斗煥は反日教育が実施された韓国士官学校卒だ。韓国経済が発展し民族主義が自律的に進化する中で、徴兵制の国である韓国の軍人教育は国民の反共教育と整合された筈である。
 日本では経済成長に伴い戦後体制に翳りが生まれ、左翼運動が沈静化し極東裁判を含む近代史を見直そうとする民族主義が台頭し始めた。極東裁判が見直されれば、太平洋戦争開戦直前の米国内での激しい排日運動や、米国が開戦誘導した疑いなども明るみに出て、原爆投下の正当性に疑念が持たれる恐れがあり、米軍にとって日本の民族主義は好ましいものではないだろう。
 米軍には日本の民族主義や韓国の嫌米感情を牽制する必要がある。日韓条約(1965年)を締結させて韓国経済の発展を日本に支援させ、沖縄返還(1972年)で日本との友好関係を確保し、韓国民主化運動に応え大統領選挙を復活させ(1988年)対米関係の改善を図った。日本の民族主義を韓国の民族主義に牽制させるのは帝国主義的民族操作の常道だろう。
 以上は状況的必然だから、誰が任務を担当しても類似の結果になったと思うが、朝日新聞を中心とする日本の左翼的マスコミはなぜ捏造までして自虐キャンペーンを展開したのだろうか。これは必然とは言い難い。朝日新聞は太平洋戦争中には最も活発に日本帝国翼賛の論陣を張ったから進駐軍から脅しを受け派手に転向したのだろうか。誰からも証言は得られない話であるが、誘導され不本意な行為を実行すれば以降その発覚を恐れて共犯を継続するのは世の常であるから、それらしくはある。中国や韓国の在米諸団体の呼応するような活動も、極東米軍の支援があった可能性がある。日本の政界への米軍の影響力も、鳩山元首相の不可解な転向に見る事が出来るから、継続しているらしい。
ベルリンの壁が崩壊して北朝鮮が貧窮し、中国が資本主義化し、緊張緩和したが、韓国で敷いた軍事教育のレールは勝手に暴走しているということだろうか。米軍のお墨付きで膨張した韓国人のプライドと歴史捏造意欲は、米国留学生が米国のアカデミズムに触れた途端に虚偽が発覚すれば韓国人にショックと混乱を与える。米軍に一層の支持を求める声と反米感情とが錯綜するだろう。徴兵され軍事教育を受けた一般人は今更歴史観を変更しにくい。韓国政府が覚醒しても過激な反日を変更することは困難だろう。是正は嫌米に結びつく恐れが大きい。米国も黙認を続けざるを得ず、日本に忍耐圧力をかけるのが流れとしての自然な姿になる。韓国は民政国家の様に見えるが、一皮剥けば厳しい反共軍事国家として現在も北朝鮮と対峙している。韓国軍人の離反と混乱を引き起こす恐れがあることは容易に許容できないだろう。韓国軍人にとって独島は韓国が日本から武力で独立したというフィクションのシンボルになっているのだろう。
米国が今回の日本の対峙姿勢を黙認しているのは、ある程度の矯正が必要になっているとの認識があるからだろう。共産主義がここまで退潮すれば、韓国軍兵士は反共だけで士気を高められるかもしれない。対中国の観点からは韓国軍は使えないだろう。日本を対中国の尖兵に使いたい思惑が生じれば、多少日本の民族主義を許容しなければならない。舵取りは難しいが、民主党政権の失策は却って米軍の立場を有利にした様に見える。日本人も日米同盟を軽視して中国に接近することは当分なさそうだから。
北朝鮮はそれを分かっているだろう。日韓の緊張が高まる事は彼らにとって使えるカードになる。北朝鮮は中国に併合される事を千五百年間拒んできた民族の国家で、今も中国に併合される危機にあり、中国が沖縄を朝貢国だったと騒げば騒ぐほど、沖縄以上の従属的朝貢国であった北朝鮮の神経は逆撫でされる。日本に縋りたくなる気持になる面もあるのではなかろうか。事態の打開は思わぬ方向から来る可能性もあるが、千五百年の闘争の歴史を持つ朝鮮民族は一筋縄ではいかないから、仮に順調でも日本人の思惑と事態の推移には大きな乖離があるだろう。

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